| 野間大坊 〜 法山寺(湯殿跡) |
| 大御堂寺(野間大坊)沿革 正式には鶴林山大御堂寺(通称:野間大坊)といいます。 |
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| 源義朝公最期絵解き文 |
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左馬頭義朝公は京都六波羅の合戦に御敗北なされ、それより美濃国青墓の宿まで落ちさせた給ふ。 宿の長者大炊は義朝公の仰せには是より東国へ下る共、ひとまず尾洲知多郡野間の庄司長田忠致は鎌田が舅、殊に相伝の家来なれば彼を頼まん ・・・(中略)・・・ 頃は平治元年極月二十八日当所長田が館へ御到着の躰、是即ち長田が館、是に御座なさるるは左馬頭源義朝公、御供には鎌田政清、平賀四郎義宣、渋谷金王丸、鷲栖玄光共に主従五人、長田庄司忠致嫡子先生景致、その外家族共々御目見えに出でたる所、 |
| この時、平賀四郎義宣は母の重病により御暇を賜り、本国へ帰りたる所、長田ふと逆心を起こし一間へ嫡子景致を招き密かに内談致す様、我が君是より東国へ下り給ふとも、今、平家の権勢盛んなれば何れの地にてか人手に掛り給ふ御身ならん、 所詮我々が御首を討って清盛公へ奉らば重き恩賞にも預からん、この儀如何と申しければ景致其の儀に同心し、先ず義朝公を討ち奉るには婿の鎌田兵衛を討たずんば謀計の妨げならんと内談一決致してござる。 |
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| 元来長田鎌田は婿舅の事なれども乱世の砌なれば見参の盃杯も致さず、翌春正月二日の夜に至り一室へ鎌田を招き、是にて見参の盃の躰、 長田は保元以来の合戦の疲れなぞを慰め酒おびただしく勧めければ、鎌田は舅婿の事なれば心を許し数盃呑みすごし座を立て出る所を、景致妻戸の脇にて待ち受け、合図の者の知らせに依って是にて鎌田のモロ膝を切り落とす死骸、 鎌田の妻は長田の娘なれば親を恨み夫の死骸に取りすがり夫の短刀にて其の場にて自害致して御座る。 |
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| さて翌朝三日に至り義朝公を御湯殿に請じ御湯を召させ奉る。 長田予て討つ企み故、御湯殿へ御浴衣等も差置かず事不束に致し置き御浴衣と仰せありければ金王丸辺りを尋ぬれ共見えざれば大いに立腹し、長田の館へ取りに参たる跡へ、潜伏者が踊り出て義朝公へ組み付きぬ、 |
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| しををせて三人共湯殿を出る所へ金王丸帰り合せ、中の躰は知らぬ共、余り訝しく見ければ湯殿の口にて三人共切り伏せ、急ぎ義朝公を伺へば最早義朝公の御首はござらず、金王丸大いに驚き是は長田鎌田の逆心ならんと鎌田を尋ねれば鎌田は前夜に如斯の仕合せ、依って玄光と両人志を合せ、長田が家来を斬散らし、長田を尋ぬれども見えざれば是は御首を以って清盛公へ上洛せしならん、 イザ跡より追っ駆けんと長田の厩に入り、馬引出し鞍置く暇も無ければ裸馬に乗って追い掛ける所、この時金王丸一八歳、鷲栖玄光大音をあげ年積て六十三才戦いに合う事十三度、遂に一度も敵に背の姿を見せず止めんと思う者あらば止て見よとて、逆馬に乗って追い掛ける所、この時長田の家来敢えて近づく者無く、ただ遠矢少々射掛けたるばかりでござる。 |
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| 跡静かになりて後、長田父子池に臨み義朝公の御首を洗はせける所、其後、天下或一国に大変の有る節は池水赤くなる故に血池と名付く。 是より長田父子御首を以って京都清盛公へ奉り、官禄を願いければ清盛公敵の事なれば大いに喜べども、茲に内大臣小松の重盛公仰せには、重代相恩の主君を討し者なれば其の不義を憎むとて重き恩賞をも与えず唯壱岐守と申号を与えられたるばかりに御座る。 |
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| この時長田父子大いに望みを失いそれより主を討ちし者なれば交じる人も無く空しく年月を送るところへ、平家衰え日を追って頼朝公御威勢盛んになりれば、長田父子身を置くに所なく、自己の重刑を願出れば、頼朝公の御情意には長田神妙なる降参なり、 されど我、未だ天下一統せず我天下一統せば汝が軍功に依って美濃尾張を宛行う可との御情意なれば長田父子大いに喜びそれより所々の合戦に抜群の手柄を致して御座る、 其の後、頼朝公天下御一統あそばされ、御父御菩提の為当山へ七堂伽藍を御再建なさる。 ・・・(中略)・・・ 堂の東へ御父義朝公の御廟所鎌田の墓所、池の禅尼の墓等まで御建築なされ其の後建久元年十月御上洛の途次を以って当山へ御廟参なさる。 ・・・(中略)・・・ |
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源頼朝公、御供には六十余洲の諸大名 ・・・(中略)・・・ 長田父子を生捕り義朝公の御廟の前にて板貼付に行いける、この時頼朝公の御上意には長田かねて約束の身の終りを宛行うべしとの厳命にて御座れば長田も末期に辞世を残し、 「ながらへて 命ばかりは壱岐守 身の終りをば 今ぞたまはる」 と、斯詠じまして諸人の嘲弄を受け相果てまして御座る。 その亡骸を捨たる跡を磔松として東の山に踪跡が御座る。 |
| 又、金王丸、玄光と長田の家臣を切り乱したる跡を乱橋とて田上へ参る道に少しの土橋が御座る。 この屍取集め埋めたる所を首塚松とて田上の山に踪跡が御座る。 湯殿の踪跡是又田上に御座る。御絵解き大略斯くの如し。 |
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